子育て茶話会 〜世羅の暮らしと移住と子どもと〜
子育て世代が地方移住を考えた時、最も心配なのが子育て環境のこと。
地元ママ、移住ママ、移住検討中ママたちが集まって、お茶をしながら、楽しくワイワイそれぞれが抱えている子育ての悩みを交換し、移住と地方暮らしでの子育ての魅力を探るワークショップとして、子育て茶話会を行いました。
イベント概要
- 【日時】
- 2017年2月18日(土)13:00~16:00
- 【会場】
- すずらんホテル木原http://hotelkihara.web.fc2.com
- 【参加者】
- 女性限定15名と(町内から11名、町外から4名)
- 【プログラム】
- 13:30~ オープニング
13:45~ トークセッション『世羅町への移住と子育て』
14:30~ グループワーク『田舎移住の子育てを素敵にするアイデア探す』
イベントレポート
まだ2月とは思えないほど暖かな陽気の中、世羅町で田舎移住と子育てを考えるワークショップ(以下:WS)、「子育て茶話会 〜世羅の暮らしと移住と子どもと〜」に大阪から参加させていただきました。世羅町で生まれ育った方、移住されてきた方、そして私のように地方移住に興味を持っている町外の方、いろいろな立場の女性が集まり、世羅町での子育て環境を通して、田舎移住と子育てについて楽しく知ることができ、とても有意義な場になりました。
まず今回、私は生後一か月の赤ちゃんを連れて参加することができました。これまで赤ちゃんや子どもを連れてのイベント参加では、ほとんど自分で子守をしなければならないため、大変な思いをすることがほとんどなのです。しかし、この日はこれまでとはちがい、参加者である世羅町の女性たちや主催者である役場の配慮で、終始楽しく安心した時間を過ごすことができました。初めて会う参加者の方々が口々に「あれ?こんな小さい赤ちゃんどうしたん?抱っこさせて!」と話しかけてくださり、「可愛いねえ、もらっていきたいわぁ」と笑顔で子どもをあやしてくださる様子にとても安心することができました。
子どもにもママにも優しい場
会場は世羅町役場からほど近い「すずらんホテル木原」のレストラン。机には小さなサボテンの寄せ植えやウェルカムボードがあり、かわいらしく、アットホームな雰囲気です。
会場後方には大きなカーペットを敷いてキッズスペースが用意されています。役場の方が持ってきたおもちゃは男の子用、女の子用、赤ちゃん用と大変充実しおり、日頃から子ども連れのイベントには慣れていらっしゃるようでした。
WS参加者は13人中6人が現役子育てママさん。そのママさんがそれぞれに2~3人のお子さんを連れてこられたため会場はとっても賑やかです。
そして世羅町の女性たちの第一印象はとにかくみんな明るく元気!世代の垣根がなくご年配の方、私と同世代の方、子供たち、全員が顔見知りで笑顔で溢れています。
地域みんなで子育て世代を支える町
WSはまず最初にトークセッションから始まりました。世羅町で生まれ育ち子育て支援課で働くユキヨさんと県外から世羅町に移動してきたというミカさんが、それぞれの経験から世羅町での子育てについて語ってくれました。
ミカさんは結婚してから旦那さんとお互いの職場の立地条件があったからと世羅町に住み始めましたが、独身時代は仕事とプライベートはきっちりわけ、どちらかというと一人で過ごすほうが好きだったそう。ところが世羅町に移住し子供ができてからは、すぐに役場の方からの声かけもあり、自然と子育ての相談ができ、地域との関わりやご近所づきあいも増え、いつの間にか3児のママになっていたそうです。
「世羅町が私を変えました」と語るミカさんは、以前の私では考えられないほど社交的になったそうで、ご自身も新米ママさんに声をかけて地域とのつなぎ役にもなるのだそうです。
世羅町では「母推(ぼすい)さん」と呼ばれる存在がとても大切な役割を果たしています。正式には母子保健推進員といい、子育てに関する身近な相談役として子育て世代を応援する地域の先輩ママさんたちです。
現在世羅町にはこの母推さんが32人もいらっしゃって、その方たちが役場と協力し合いみんなで子育て世代を支えていることに驚かされました。
安心して子育てができる町は、家の中も自然と明るくなる。
トークセッションの後は3つのテーブルに別れ、世羅町の子育て環境をさらによくするために何ができるかを考えます。お互いの自己紹介をするシーンでは「みんなほとんど知ってることばっかりじゃけん、なに話そう?」と笑う人がほとんど。初対面の私には温かい雰囲気の中で積極的に質問をしてくださったり、「岡田さんは世羅町はじめてじゃけ、興味あるテーマを選んでね」とおっしゃってくださったり、「この町に住んだらこんな風に温かく迎えてくれるんだろうな…!」と嬉しくなります。
世羅町では、役場や母推さんたちが子育て世代を親身になって支援してくれるおかげで、母親の育児ストレスが少なく安心感に包まれていると感じました。私自身、一人目の赤ちゃんを育てる時はわからないことだらけで、ちょっとしたことでも不安になったものです。遠方の母親に電話で相談したりしましたが、世羅町のように身近に子育ての悩みを相談できる環境があるということはとても心強いことでしょう。
育児のストレスは誰かに話を聞いてもらえるだけでとても発散されます。お母さんの心に余裕あれば、旦那さんや家族全体にも優しく心を配ることができるでしょう。だから世羅町のご家庭は自然と明るくなるのかもしれません。
そのせいか、テーブルで一番盛り上がった話題はそれぞれの旦那さんとの出会いや好きなところ。育児の愚痴を旦那さんにぶつける必要もないということで、夫婦の会話が自然と楽しい話題になり、仲良しのご夫婦が多いようです。
田舎移住と子育てについて思うこと
現在、住んでいる都会から田舎移住することは私だけでなく家族にとっても大きな環境の変化になります。子育てしている立場からすると、自分よりも子どもたちが移住環境に慣れてくれるかが重要です。しかし、子どもは親に影響されるのでまず、親自身が田舎移住に対して満足することが大切でしょう。
私自身、今回のWSを通して今すぐ世羅町に移住してもきっと温かく迎え入れて、いろいろとご支援をいただける、その「安心感」と「安定感」を感じました。
人が多い都会では子育て支援や役場のかかわり方には制限があり、できないことのほうが多いです。また、トラブル回避のために当たり障りのない関わり合いになりがちです。
それが、世羅町は全く違いました。役場の方も世羅町で生まれ育っていて、小さいころから土地を愛する人が大半。お互いみんな同じ地域に住む家族のよう。
提言したり、押し付けるわけでもなく住民一人ひとりが「世羅町で生きる時間をより良く、楽しく過ごせるようにしたい。そのために私も何かしよう」と自然に思われてるように感じました。人が多く、毎日が目まぐるしく過ぎていく都会ではできない、ゆったりとした田舎の規模だからできる楽しく、温かな生活がありました。
WSの間、キッズスペースで遊んでいる子どもたちは大はしゃぎでとても賑やか。4人の託児スタッフさんの中で唯一の男性スタッフさんも子どもの中で一番小さかった私の三女を抱っこしてとても優しそうにあやしてくださっていました。
終了後は皆さんから「またぜひ、世羅町にいらしてくださいね!」とおっしゃっていただき、初めて訪れた町とは思えないくらい親しみを覚えることができました。
「世羅町いいかも!」と本気で考えてみる今日この頃です。
- 岡田由佳子
- 自転車ジャーナリスト・ライター。
- 1986年生まれ愛知県出身、大阪在住。
- 元自転車競技選手でジュニア時代は高校選抜とJOCで優勝を経験。
- 3女の母で自身は5人兄弟の4番目。
- 雑誌、新聞、ネットなどいろいろな媒体で執筆中。