世羅な人々 ずっとの人も選んだ人も [interview]世羅な人々 ずっとの人も選んだ人も [interview]

この町には“世話をしてあげたい人”が
いっぱいいますから。何の心配もいりません。

(協)夢高原市場 専務理事・農業

橋川正治さん 律子さん

地元

この町には“世話をしてあげたい人”が
いっぱいいますから。何の心配もいりません。

夏は川一帯にゲンジボタルが集まり、
まるで天の川みたいになるんです。

正治さん うちは2年ほど前から農家民宿をしています。家の一部を民宿にして、観光客の方々と一緒に畑仕事をしたり、みんなで食卓を囲んで一緒に夕飯を食べたり、賑やかにやっています。
律子さん 「世羅の町が好きになった」と言って何度も遊びに来られる方もありますよ。
正治さん 他にも、毎年夏になると関東から来られるカメラ好きの女子グループがあって、この町の風景をみんなで撮影して回っています。
律子さん ちょうどその頃、うちの家の横を流れる小川はゲンジボタルでいっぱい。それを見て、みんなすごく喜んでいますね。世羅は街と違って静かだから、月明かりの下で蛍が光を灯す姿は本当に幻想的です。一帯にたくさんの蛍が集まり、まるで天の川みたいになるんですよ。

みんな「いつも食べている野菜と全然味が違う!」と
びっくりします。

律子さん 夕食には、うちの畑で採れた野菜をたっぷり使った手料理をお出しします。ピーマンを煮込んで作ったピーマン味噌や、こんにゃく芋から作った手作りこんにゃくなど、手間とひまと愛情をたっぷりかけて作った料理ばかりですよ。
正治さん 甘い甘い九重栗南瓜の天ぷらや肉厚なしいたけの天ぷらも最高です。
律子さん 採れたての新鮮野菜の味にビックリされるようで、みんな「普段食べている野菜と味が全然違う!」とびっくりされますね。野菜をあまり好きじゃなかった子も「世羅の野菜は甘い!」と喜んで食べてくれます。
正治さん 白菜の一種で「極意」という野菜があるのですが、他所では珍しいらしく「こんなの見たことない!初めて食べた」と驚く子もいます。

自分が植えた農作物がすくすくと育つのは、見ていて楽しいです。

正治さん もともと世羅町はおいしい野菜が育つ環境が整っています。昼夜の寒暖差が大きいため、野菜が自分の体を守ろうとたんぱく質を蓄えるので、その分味わいが増すんです。また、中国山地の分水嶺でもあるため非常に水がきれいです。
律子さん お水がおいしいと食物はおいしくなりますね、果物もお米も。世羅の食物は何でも本当においしいですよ。
正治さん 自分で丹精込めて育てると、さらにおいしく感じます。
律子さん うちのお父さんはあれこれ熱心に勉強しているんですよ。
正治さん はい、どうせ作るんだったら、自分で「おいしい!」と思えるものを作りたいじゃないですか。
律子さん 夏も気温が30度を超えて周りがへとへとになっている中、一人元気なんですよ。
正治さん 30度と言えば、野菜が最も育つ時期。自分が植えた農作物がすくすくと育つのは見ていて楽しいですからね。

自分で作った野菜を食べるのも嬉しいけど、
誰かの手にわたり喜んでもらえるのも、また嬉しいことです。

正治さん この町には産直市があり、野菜を作れば誰でも販売できるシステムが整っています。自分で作ったものを食べるのもおいしいけど、苦労して育てた野菜が誰かの手にわたり喜んでもらえるのも、また嬉しいことです。
律子さん 先日も、移住してこられた方が「自分で収獲した野菜を出荷できました!」とすごく喜んでおられました。
正治さん そうです、農業は楽しいですよ。せっかく世羅に来るなら、皆さんにも何らかの形で農業を経験してもらいたいですね。兼業農家でもいいし、自宅の庭で少し作るだけでもいい。必ず専業農家にならなくても、自分に合ったスタイルで考え、工夫しながらできるのが農業の良いところです。もし「農業は初めて」という方があれば、何でも相談してください。この町には、私を含め、ベテラン農家が大勢います。教えてあげたい人、機械を貸してあげたい人…なにせ“世話をしてあげたい人”がいっぱいいますから、何も心配いりません。

(協)夢高原市場 専務理事・農業

橋川正治さん 律子さん

地元
- プロフィール -
夫婦共に世羅町生まれ世羅町育ち。専業農家を営む傍ら、2015年から「農家民宿 髙光」をスタートし観光客に世羅町の魅力を伝える。また正治さんは世羅高原6次産業ネットワークの副会長として町内の農業の活性化にも尽力する。