世羅な人々 ずっとの人も選んだ人も [interview]世羅な人々 ずっとの人も選んだ人も [interview]

新鮮な野菜を当たり前のように食べられる環境。
考えてみると、今の暮らしは本当に贅沢だと思います。

農業

東祐樹さん 多美子さん

Iターン2013年移住

新鮮な野菜を当たり前のように食べられる環境。
考えてみると、今の暮らしは本当に贅沢だと思います。

1年間の「農業研修制度」を活用し、
実際に暮らしてから移住を決めました。

祐樹さん この町に暮らし、今は夫婦で農業をやっています。キャベツをメインに、ブロッコリー、春菊。それから農業法人では米作りもしています。
多美子さん ここに来る前は、5年間ほど愛知県の海沿いで農業をしていました。だから一応は「経験者」ということになるのですが、山間の世羅町とは環境が全く逆です。ましてや、見ず知らずの土地に移り住むことにはやはり不安がありました。
祐樹さん ただ、実家がある広島県で農業がしたいと思っていましたし、町の雰囲気と人の温かさに惹かれたというのが大きかったですね。
多美子さん そうです、お互いグジグジ悩むのが嫌なタイプなので「まず行ってみよう!」と踏み切りました。
祐樹さん それに世羅町には、「農業研修制度」と言って、1~2年間農業の基礎を学べる期間があり、基本的な生活費も支援してくれます。
多美子さん まずは、お試し期間という感じですね。私たちも1年間研修を受け、実際にここでの暮らしを経験してから移住を決めました。

物々交換がとても活発。
漬物を樽ごと持ってきてくれた時はビックリしました。

祐樹さん 最初こそ「見ず知らずの土地」だと思っていましたが、すぐに人との繋がりができました。何か困ったことがあればみんなすぐに相談にのってくれるし、人が人を紹介してくれどんどん輪が広がっていきます。
多美子さん ご近所さんも本当に親切です。「あれがない」と言えば持ってきてくれ、さらに「これはあるか」と尋ねてくださり、何から何までお世話くださいます。また「家で作ったから」とお餅やおかずもくださるんです。それも、たっくさん!漬物を樽ごと持ってきてくださった時はビックリしました。だけど、こうした物々交換のおかげでかなり食費が抑えられます。自分たちでも野菜を作っていますから、以前の生活に比べると生活費は少なくてすんでいます。
祐樹さん 僕らは20代の頃ずっと飲食の仕事をしていたので、新鮮な野菜がどれだけ高価か分かっているつもりです。考えてみると、今の暮らしは本当に贅沢だなと感じます。
多美子さん ショッピングモールもあって買い物するにも困らないし、ほどよく便利。私にとっても理想的な田舎暮らしです。

あまり蓄えのなかった私たちがここまでやってこられたのは
世羅町だからこそです。

祐樹さん 唯一お金がかかると言えば、やはり農業に使う機具たちでしょうか。だけど、その購入費用も役場が支援してくれますし、周囲には親切に機具を貸してくださる方もたくさんいます。
多美子さん あまり蓄えのなかった私たちがここまでやってこられたのは、本当に世羅町だからこそです。
祐樹さん 役場も住人の方々も本当に良くしてくれるので、若い方々にもぜひ世羅に来てもらいたいですね。最近は、若手農業者が集まり「ネットワークづくりをしよう!」という話が持ち上がっています。一言に「農業」と言っても、畜産、果樹、野菜、稲作いろいろありますから人数も40~50人、町を盛り上げるには十分の力になると思います。

朝日とともに目覚め、夕日とともに家路につく。
この暮らしに満足しています。

多美子さん 農業の良いところは、夫婦一緒に仕事ができるところです。最初は「ずっと一緒にいたら喧嘩するかな?」と心配もありましたが、思った以上に毎日楽しく過ごしています。逆に同じ仕事をしているからこそ、日々の疲れとか、仕事に対する思いとか、共感できることもたくさんあります。
祐樹さん 農業って「仕事に行く」という感覚とは少し違いますね。オンとオフを切り替える必要がないというか、「生活」という大きな営みの中に「農業」とか「食事」とか「睡眠」という要素があるという感じで、僕らには「仕事と休息のバランスをとる」という感覚はありません。
多美子さん そうですね、私自身もよく雑誌にあるような「休日は心身をリフレッシュさせに、自然豊かな場所へ」という感覚にもともと疑問を感じていました。「そんなに日常にストレスを感じるなら、町を出て田舎で暮らせばいいのに」って。今の暮らしは好きな仕事ができストレスがないので、わざわざ「リフレッシュするためにどこかへ出かけよう」なんて考えることはありません。朝日とともに目覚め、夕日とともに家路につく。この暮らしに満足してします。

農業

東祐樹さん 多美子さん

Iターン2013年移住
- プロフィール -
夫婦共に飲食関係の仕事に就いていたが、自然の中で暮らせる仕事に就きたいと農家に転身。愛知県で数年農業を経験した後、「実家がある広島県で」と2013年に世羅町へ。今後、世羅の農業界をけん引する次世代ホープ。